2023年1月31日火曜日

レガシィ(遺産)

自動車メーカーSUBARUが、

「レガシィ」という車を発表したのは

1990年頃だったでしょうか。

「遺産」という意味のネーミングには、

当時、倒産の危機が報じられるなか

技術者の総力と誇りをかけた開発があった、と

車雑誌で読んだことがあります。

札幌で招致しようとしている

2030年冬季オリパラの大会ビジョンには、

新たなレガシーを」と書かれています。

が、競技の花形であるスキージャンプ競技は、

宮の森ジャンプ台をなくして

大倉山ジャンプ台に宮の森のノーマルヒルを併設する

という計画で、その整備に90億円をかけます。

宮の森シャンツェは、

1972年の札幌冬季五輪で、金・銀・銅を独占した

輝かしい歴史を刻んだ場所ですが、

それを壊してどうして「遺産」と言えるのでしょうか。

工事費や維持管理費縮減のため、と市は説明しましたが、

もともとの経緯は、

大倉山に2つのジャンプ台があったものの敷地が狭く、

72年の札幌冬季五輪に対応できなかったために

宮の森にジャンプ台を新設したのです

それを今度は壊す計画が、大会概要案に書かれています。

札幌市はスクラップアンドビルドが得意ですが、

「作っては壊す」の繰り返しが遺産になるのでしょうか。

プレイヤーの誇りをかけた競技を遺産にする、という

敬意があるならば、壊す必要はないと思うのです。