2022年12月21日水曜日

12月20日の共同記者会見に対する見解

 

2030年五輪招致は断念し、住民投票の実施を

1220日の共同記者会見に対する見解

20221221

日本共産党札幌市議団

団長 村上 ひとし

 

 先の第4回定例会の代表質問で我が党は、「民主的プロセスを踏まずに招致活動に突き進む姿勢に市民は反対している」、「開催時期の延長も視野に、2030年への招致活動という歩みをいったん中断するべき」と求めましたが、市長は休止する考えを示さず、あくまで招致活動にこだわり続けました。

 その後の1220日に札幌市とJOCが行った共同記者会見は、自治基本条例がうたう「市民の意思を把握し、市政の運営に反映させる」という市長の責務をないがしろにしてきたことによって、招致活動の「仕切り直し」に追い込まれた結果です。広がる市民の「招致反対」の意思表示に抗いきれず、1222日に予定された市長の「出馬表明」の前に会見せざるをえなくなったものです。

 会見で市長は、「委託業務のあり方」や「ガバナンスのあり方」を見直し・検討する、と表明されました。しかし、東京2020大会の汚職事件・談合問題の全容はまだ明らかになっていないどころか、巨額の税金が投じられた世界最大規模のスポーツイベントをめぐる闇はあまりにも深く、まさに底なしです。「テスト大会の入札談合と本大会での業務受注との関連性が東京地検特捜部の焦点の一つ」とも報じられ、全容と真相の究明はこれからです。

徹底的な検証抜きに「競技会運営における代理店等への委託業務のあり方を見直す」と拙速に述べても、信頼の回復には程遠く、市民理解は得られません。2030年の招致は断念すべきです。

 市長は、「積極的な機運醸成活動を休止する」とも表明されました。これまで十分な市民合意もないままに、機運醸成費だけですでに4億円以上も支出してきたことを考えれば、当然のことであり遅すぎたほどです。

 会見の結びで、「改めて民意を確認」すると表明されました。今年3月に行った「意向調査」は、調査手法や設問、実施のタイミングが極めて誘導的で公正さに欠け、専門家からは「調査票の設計は、誘導の可能性がないとは言えず、結果に影響を与えそうな設問や配置だった」との指摘がされたほどです。このような意向調査を、全国規模に対象を拡大したとしても、正しく民意を確認することはできません。

本気で民意を尊重するならば、市長は、自治基本条例に基づき、市民の意思確認のため、正々堂々と住民投票の実施を決断すべきです。

以上