2022年6月7日火曜日

否決された住民投票条例の討論

(原稿のまま)

議案第32号についてです。

我が会派は、2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致は、国内のみならず、世界が注目する、文字通り市政に関する重要な事項であり、市民の政治参加を保障し、市民意見を反映させる民主的なプロセスが必要だと考え、この議案を上程したものです。

市長は、我が党のオリンピック・パラリンピック招致についての代表質問に対し、「まちの将来に関わる重要な取り組み」であるため、「2026年大会招致の際から、出前講座や市民ワークショップなど様々な機会を通じて市民の声を把握し、議会とも議論を重ねながら、招致活動を進めてきた」、と答弁されました。

そもそも、出前講座やワークショップは、自主的に参加する形式であるため、大会招致に関心がある市民、もしくは団体が参加することになります。招致に関心がない人、招致に意義を感じない人は参加しませんので、おのずと、本市の実施した対話事業は、関心のある市民に絞られて行われたことを、自覚する必要があります。

また、この事業は、招致の意義や計画概要を説明しながら、まちづくりに効果があることを、参加者に意識づける手法で進められました。「財政負担が増大するのではないか」など懸念を持つ意見は、「まちづくりへの意見」だと分類され、経費を縮減すれば招致への理解を得た、と解釈されて歪められ、反対であるとの受け止めはありませんでした。

「市民の声を把握した」とする様々な機会とは、実にバランスを欠いたものでした。

今年3月に、ようやく本市が行った、無作為抽出による1万人への「意向調査」も、理解促進のための手法で行われ、公正さに欠けたことは問題です。

封筒には、調査用紙のほか、大会概要案、Q&Aが同封され、「大会概要案およびQ&Aをお読みいただいたうえで」の回答を求めるものでした。大会招致は、「市民生活に好影響を与える」、「大幅に経費が増えることはありません」、「さらなる経済効果も見込まれます」など、メリットを強調したQ&Aを読んでから回答に入るよう促されました。しかも、調査票は、8つの質問項目のうちの5つが「大会概要を理解したか、できなかったか」に〇をつけさせるもので、散々メリットを強調して、ようやく8問目で賛否を聞くという、極めて誘導的なものでありました。

また、旭川、帯広など道内6都市の映画館来場者に対する街頭での意向調査は、協力者にはオリジナルバッヂを提供するなど物品を使ったやりかたにも、市民から疑問の声が上がっています。

さらには、調査を実施した時期も、東京オリンピック・パラリンピック直後となると反対の意見が高まる懸念があることから、選手たちの活躍に心を躍らせた北京オリンピック・パラリンピックの直後であり、多数の賛成を得ることを狙ったタイミングでした。

それにもかかわらず、調査結果が52.2%の賛成であったことは、「一定の賛同を得た」とは言えず、むしろ、様々な策をもって多数の賛同を得ようとしたが、辛うじて50%を超える数字にしかならなかった、と解釈することが妥当ではないでしょうか。

百歩譲って、これらが公正なやり方だったとしてもなお、市民の賛否は拮抗していることは明白ではありませんか。

市民の声を公正に、広く聞くことなく、招致に走っている本市の現状は、否定的な意見を持つ市民との軋轢を生じさせるばかりです。

さらには、コロナ感染の拡大や、それに伴う東京大会開催の問題、ロシアの侵略戦争開始という新たな社会経済情勢の急激な変化が加わり、将来の税負担への不安のみならず、現状のくらしや、子育て・社会保障を充実する施策へ重点を置いた市政の転換を求める市民が増えています。

大会招致は、自治基本条例に定める「市政の重要な事項」と、間接民主主義を補完するに足るものであることは、もはや、誰の目から見ても疑う余地がなく、市民の賛否が拮抗している以上、市民の意思確認を行うための住民投票を実施し、自治基本条例が謳う、市民が主体のまちづくりと共に、市民に開かれた議会とすべきです。

先の本会議で「議案第32号」として上程した「2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致に関する住民投票条例案」を、62日の経済観光委員会で、質疑していただきました。

まず、質疑で出されました、本市議会が330日に議決した、「2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致に関する決議」についての見解です。

決議は、議会の意思を対外的に表明することで、政治的効果を期待する、意思形成行為であります。本市議会では通常、議員総意の反映をめざすことから、全会一致で決議案を採択しておりますが、そもそも、この決議案は、大会招致を目指す意思を議会として表明する内容となっており、市民の賛否が拮抗しているため、我が党ならびに市民ネットワーク北海道が反対を表明するなか、賛成多数で採択されたものです。採択されたからといって、それに反対した会派に対し、「提出者は、議会決議の重みをしっかりと受け止めるべき」だとする言動は、行き過ぎであります。決議に法的根拠はなく、また、議員の条例提案という行動を拘束するものでもありません。この決議は、反対の意見があるなかで採択したものであることを、双方の共通認識にしようではありませんか。

さて、委員会では、「議会の招致決議に基づき招致の理解に努めることが重要である」といったご意見や、「賛成、反対のみの2択での選択を市民に迫る条例案には反対」、「住民投票よりも市民理解を促進することが求められる」、等のご意見をいただきました。

私どもは、賛否が拮抗するなか、一方的な形で大会概要案の市民理解を促進することよりも、本市や議会が、真摯に市民の意見をさぐり、その内容を理解しようとする姿勢が求められていると考えるものであり、その手法が住民投票であると考えます。

住民投票が行われることになれば、当然、大会概要案について、今まで以上に広く、住民への情報提供と説明が求められますし、投票の周知を徹底しますから、当然、市民の関心も広がります。招致への理解が広がる土壌が作られるばかりか、市民の声を広く公正に聞こうとすることで市政への信頼にもつながり、大きな効果が得られるのではないでしょうか。大会招致の賛否について住民投票を行うことは、市長や私たち議員の願う、本市の「将来に向けた飛躍のための絶好の機会」であり、「長期的な視野に立った札幌市の発展について、市民を巻き込んだ議論」が行われ、より市民に開かれた市政となると考えるものです。

2024年の夏季大会と2026年の冬季大会において、世界各国の都市では、住民投票を実施しました。札幌市も民主主義に基づき、住民意見を尊重する、世界に誇れる対応を議会が示そうではありませんか。

本議案を提出した会派を代表し、議員みなさんのご賛同を呼びかけ、私の討論を終わります。

2022年5月24日火曜日

冬季オリパラ住民投票条例の提案(原稿のまま)

私は、日本共産党所属議員全員ならびに市民ネットワーク北海道所属議員を代表して、ただいま上程されました「議案第32号 2030北海道・札幌オリンピック・パラリンピック冬季競技大会招致に関する住民投票条例案」について、提案説明をいたします。

まず、その主な内容についてです。

本市に選挙権を持つ市民が、2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致について、賛成の場合は投票用紙に印刷される「賛成」の項に〇の記号を付け、反対の場合は「反対」の項に〇をつける、という形で賛否を確認します。また、投票の期日は「条例施行の日から起算して90日を超えない日までの間で市長が定める」ことにしており、投票の資格や投票の方法あるいは開票などは、概ね公職選挙法に基づいております。

次に、理由についてです。

今年3月に本市が実施したオリンピック・パラリンピックの招致についての「意向調査」で、札幌市民1万人に郵送し5775人から回答を得た無作為抽出の調査結果は、52.2%の賛成でしたが、北海道新聞社が4月に行った調査では、一転して57%が反対で、賛成の42%を上回る結果となっており、賛否は拮抗しています。

世界では、2024年の夏季五輪を巡り、ドイツ・ハンブルグが住民投票を行い、反対が過半数となり招致から撤退しました。2026年冬季五輪でも、カナダ・カルガリー、スイス・シオン、オーストリア・インスブルックが、やはり住民投票の結果、撤退しました。

また、前回開催地となった韓国・平昌は、世論調査で90%を超える賛成、2026年開催予定のイタリア・ミラノでは80%を超える賛成と、圧倒的に高い開催支持率のもとで開催地となっています。

冬季オリンピック・パラリンピックは、圧倒的な市民の賛成なしに成功させることはできません。IOCも、地元市民の十分な支持があるかどうかを、最も重要視しています。

本市はすでに、「北海道・札幌2030オリンピック・パラリンピックプロモーション委員会」を設置し、510日に初会合の開催へと進展させていますが、招致活動を進める前に、まず、197万人を代表する市長として、多くの市民に、賛成か反対かの意思を確認することが必要だと考えるものです。

本市は、「自治基本条例」を定めています。まちづくりの主体は市民であり、参加する権利を持っていることが明記され、また、「市民の意思を把握し、市政の運営に反映させる」ことを「市長の役割および責務」としています。

その第22条には、「市政に関する重要な事項について、住民の意思を確認するため、別に条例を定めるところにより、住民投票を実施することができる。市は、住民投票の結果を尊重しなければならない」と書かれています。

2030年冬季オリパラの招致は、世界が注目する、市政に関する重要な事項であり、市民の政治参加を保障する民主的なプロセスがないまま進めることはできません。

自治基本条例を「まちづくりの最高規範」として正面から受け止めるなら、市長自らが条例を定める提案をしてしかるべきです。

それがかなわないことから、今回の住民投票の条例案は、地方自治法第112条「議員の議案提出権」に基づき提出することとしました。

以上で、説明を終わります。どうぞ、ご審議をお願いします。

2021年10月27日水曜日

石炭火力やめ再生可能エネルギーを

日本共産党の小池晃書記局長が札幌の街頭演説で

「国の第6次エネルギー計画は

化石燃料を19%も使い、

原発を稼働させる前提になっている」

厳しく批判したことに、強く共感しました。

私は、第3回定例市議会の決算特別委員会で

札幌市の「気候変動対策行動計画」での

再生可能エネルギー普及を強化するために、

小さなエリアでの地産地消型の

マイクログリッドに踏み出すよう

都市での事例調査や研究を求めました。

また、地元の中小企業の

環境分野ものづくり支援の強化や、

賃貸住宅での高断熱化支援などを

それぞれ取り上げました。


幹事長会議では、札幌市議会で

石炭火力による発電量をゼロとする

目標年限を表明することを求める意見書案」を

国にあてて出したいと、

日本共産党市議団からの

提案(意見書案提出)をしました。

小池晃さんが述べていたように、

19%も石炭火力を使う計画では

ゼロカーボンにならないからです。

輸出の問題もありますが、

少なくとも発電部分については

目標を定めてほしい、という部分に特化すれば

他の会派も賛成できるかもしれない、

と思っての提案でしたが、

本会議で自民党と公明党が

この意見書案に反対し、否決となりました。

石炭火力と原発は、

ゼロカーボン本気度のバロメーターです。

2021年10月20日水曜日

市電延伸の検討状況を質疑

1012日の決算特別委員会で、
市電の延伸検討について質疑しました。

担当部長は、停留所の位置などの
物理的課題や延伸ルート案の需要予測、
収支採算性を検討している、と答え、
開業より単年度赤字となり、
30年後に多額の累積欠損金が見込まれる」、
「レールや架線などの設備投資、
ロードヒーティング費が大きい」など
コスト面にも課題がある、と答弁しました。

私は、ループ化の時に商店街や業界の方々と
話し合いを重ねて課題解決してきたと述べ、
「ループ化だけで終わらせるわけには
いかない。延伸させてこそ、
魅力ある都市の創造に寄与できる。
3方向への具体化を」と求めました。
部長は、都心、創成川以東と桑園の
3地域を対象とした路面電車の延伸検討を
継続することを表明し、
軌道を敷くことによる沿線施設への影響や
採算性の課題解決を図るため、
新たな技術などの導入可能性も含めて
幅広く検討する」と答えました。

新たな技術とは、ITなどを活用したり
水素による発電技術の導入等を
視野にしたものです。
それらは確かに日進月歩ですが、
確立した技術でもありません。
見通しが不透明な中で、
それらの技術開発に委ねるかのような
方向では、具体計画は示されないままに
なりかねません。
私は再度、それらを待つことなく
計画を示すよう求めました。

次期まちづくり戦略ビジョンの
戦略編の策定に合わせて
一定の結論をお示ししたい」とのことですから
延伸の具体計画を求める運動を
大きく広げることが重要になってきます。

2021年10月5日火曜日

障がい区分認定調査を外部委託

市長が今議会に出した一般会計補正予算は、
医療提供体制の強化、
事業の継続と雇用の維持など
必要なものが中心で、
学童保育所への運営費補助金を、
会計事務などの補助として追加する
前進部分もありました。
ですが、3年に1度の障がい者認定区分調査を
外部委託するため、反対しました。
これまで、市の職員が直接認定調査し、
障がい者本人の心身の状況、
家族や居住状況の変化をも把握しながら、
きめこまやかな支援につなげる役割を
果たしてきました。
市の職員にとっても、
福祉的な経験の蓄積や専門性を構築する
重要な機会でした。
これを外部委託すれば、
把握や支援が薄まってしまうことに
なりかねません。 
「外部委託することで
真に必要な業務に注力できる」と
市は説明しましたが、
日本共産党の佐藤あや議員の質疑で、
「背景を含めた状況を把握することは重要だ」と答えています。
この重要な業務は、人員を増やしてでも
市の職員が直接行うようにすることこそ、
市長の言う「協働の視点と
支援を受ける側に立った観点」を持つ職員が
育成できるのではないでしょうか。