2020年5月25日月曜日

国の「医療改革」が悲劇の要因


介護老人保健施設「茨戸アカシアハイツ」で、
90名を超える感染者が出てクラスターとなっています。
毎日の報道に、自分だったらどう対応できるのだろう、と
胸が痛みます。
 

国は2000年代から
「社会保障にお金をかけ過ぎている」として
病院から高齢者を追い出す政策を次々と進めました。
75歳を超える後期高齢者医療制度加入者の
病院窓口負担を重くし、
長期入院患者を受入れる病院の診療報酬を低くする、
などの制度改定がその代表例です。
医療と介護の両方を診る「療養病床」は、
2004年には市内に1万床ありましたが、
2014年には7800床と減りました。
その利用率は他の病床よりも高く日数は長く、
常に利用者で満床であることがデータで示されています。
 

そこへパンデミックが起きました。
介護老人保健施設は、
介護も医療も必要な高齢者が入所しています。
病院がこの施設の感染者を受入れるには、
徹底した隔離とともに手厚い介護が求められます。
れに応えられる病院は常に満杯で空きがなく、
市立札幌病院も療養病床は持っていないのです。
 

国による医療改革が、
アカシアハイツの悲劇を起こした根本要因です。
「社会保障はムダ」とする国の考えを
根底から改めさせたいと思います。