2016年8月12日金曜日

原水爆禁止2016年世界大会・国際会議

 
82日から5日まで開催された「国際会議」は、
私にとって5目の参加。
NPT2015再検討会議が不採択となる一方で、
国際世論の「核兵器廃絶」の願いはいっそう広がっています。「核兵器禁止条約」の実現をいかに迫っていくか、
どのように市民社会の運動を広げるか、
熱い議論が交わされました。
 
 
 
セルジオ・ドゥアルテ(元国連軍縮担当上級代表)特別報告

2010年のNPT再検討会議で、現職国連担当代表として、
市民社会からのアピール署名を直接受け取り
激励を送ってくれたドゥアルテさん。
日本と世界の原水爆禁止運動のよき理解者であり
国連とをつなぐ大事な役目をしてくれた方です。
「地球的な核軍備撤廃のために、
今の努力を粘り強く続けられるよう呼びかけます。
核の分野以外のグループとも
他の国々のグループとも共に活動してください。
一般の人々を教育し、メディアによる報道を改善させるために
力を尽くしてください。
核兵器に依存して自国の安全保障を計ろうとする者たちの
主張に立ち向かいましょう」と力強いメッセージを述べました。
そして、「軍備撤廃のために活動してくださってありがとう。
私たちはみな素晴らしい大義のために働くパートナーです」
連帯を表明しました。
 
 
 
セルマ・ファン・オーストヴァード(オランダ・PAX

PAXは、核廃絶の運動を進めるために
国会で核兵器禁止条約を政治議題にする」と目的を定め、
国会で議論されるために必要な4万筆以上の
「議題提案支持署名」を集める取り組みを進めました。
そして、45千以上の署名を集めて国会で議題となり、
「核兵器禁止国際条約の交渉を開始せよ」
政府に迫るところまで到達しています。

どのように45千筆を集めたのか、
参加者から「くわしく話してほしい」「もっと聞きたい」
全体会でも分科会でも質問がたびたび出される注目度でした。
「署名に住所や生年月日を書きたくない人が多い、
署名文化もあまりないオランダで、
市長、セレブ、有名人への協力を頼み
どんどん広告してもらいました。
また、赤十字にも働きかけました。
『政治活動は…』との反応を
これは人道的な活動です』と呼びかけると協力を得られました。また、銀行でも顧客に呼びかけてもらいました。」
広く呼びかけた活動をさらに報告。
若い女性がいきいきと発言する姿も
参加者を元気にしてくれました
 
夜の「交流の夕べ」

二日目の夜、広島県AALAなどが主催する
アジア太平洋地域交流の夕べ」に初めて参加してみました。
フィリピン、ネパール、韓国、グアム、マーシャルの方が
参加して自己紹介。
グアムから来た青年は、
大学で社会学を専攻していて、
まさに核兵器をめぐる問題などをテーマにしているそうです。
大学での勉強は「核兵器をもつ地球の未来が暗く重いもの」
だったけれど、この会議に参加して、
みなさんが明るく希望を持っていることに
とても感銘を受けた」と話していたことが印象的でした。
 
 
 
ヒバクシャ国際署名を

新たに「ヒバクシャ国際署名」に取り組むことが
報告されました。
今までの「アピール署名」とは違い、
被爆者が直接核兵器廃絶を求める形です。
ヒバクシャ国際署名推進連絡会を結成して
共同を呼びかけながら世界に訴えていくこの署名は、
2020年までに数億人規模を集めようと
呼びかけられています。
すでに、ベトナムでは8万人分の署名が集まり、
開会総会で目録が手渡されました。
 
「国際会議宣言」をすぐに国連へ

国際会議では最終日に「国際会議宣言」
満場一致で採択しました。
そこには、「核兵器を禁止し、
廃絶する実質的な議論が、国連で始まった」、
「我々は、作業部会が今秋の国連総会に対して、
核兵器禁止・廃絶の条約交渉開始をふくむ
具体的な勧告を行うことを要請する」と記されています。
そして、採択後すぐに、議論さなかの国連に
宣言」を送ることも確認されました。
 
 
 
被ばくの実相を語り広げる

今年の平和祈念式典で広島県知事は、
熱線を受けた赤ん坊は皮が丸むけの肉の塊となり、
放射線を受けた女学生は体中の毛髪が抜けて
紫色の斑点を浮かべ、爆風を受けた体からは
内臓や目玉が飛び出し、そして死んでいった、
と被爆者は証言します。」そしてこれが、
核兵器使用の現実であります。」と語りました。

投下直後だけでなく、何世代にもわたって
被爆の恐怖が襲いかかる。
これが人として生きることを困難にしている、という現実を
しっかり伝えることが、核兵器廃絶を求める運動の原点です。

今年5月、北海道被爆者協会が
『未来への架け橋』という被爆者の証言第4集を発刊しました。
こうした資料もおおいに活用し、
世界の人たちと連帯して核兵器廃絶の行動を
大いに進めたいと思います。