2013年7月13日土曜日

児童精神科医養成を

札幌市精神保健福祉審議会児童精神科医療検討部会から
札幌市へ緊急提言が出されました。(7月12日)

児童心療センターの医師確保のためには、
養成からとりくまないと見通しがもてない、と
思っていたところでしたので
この提言に同感です。

(以下提言文)

「緊急提言項目」

札幌市の寄附により、「児童精神医学講座」(寄附講座)を大学に設置すること


「緊急提言を行う趣旨、理由」

 昨年の児童心療センターの医師の退職表明を受け、北海道大学では、札幌市からの依頼により、後任の医師を確保すべく、全国各地に打診したが、結果として医師を配置することができなかった。
 これは、児童心療センター内の運営が混乱していたことも一因としてあると考えるが、全国的に児童精神科の医師が不足していることが一番大きな原因と考える。
 特に、近年の発達障がいという疾患概念の普及に伴う受診患者数の急激な増加に対して、専門の医療機関や児童精神科医が絶対的に不足しており、若い医師が児童精神科を学んでみたいという動機付けを持てるような魅力的な教育システムは北海道内には無い状況である。
 来年4月に卒業する学生が児童精神科医を目指したとしても、経験を積んで児童精神科医として業務が可能になるのは早くとも6~7年後である。したがって、児童精神医学講座を大学に設置するのは早急にしなければならない事項であり、平成26年度当初から設置する必要があると考えている。
 本来、本案件は全ての答申と一体化して提案されるべきであるが、本年10月以降から準備して公募を開始しても、来年度当初から勤務できる優秀なスタッフ(教授1名、助教2名)を集めることは困難になることが予測されるため、前倒しの緊急提言となった。
 幸いにも札幌市は、現在の児童心療センターをはじめ、児童精神科の医療機関が全国的に見ても少なくない状況であるが、児童心療センターがそうであったように、どの医療機関も後任の要請には苦慮している実態がある。
 この寄附講座を設置した場合、これらの医療機関とチームを組んで、診療、教育、研究を行うことにより、市内の児童精神科医療機関の安定的な養成システムを確立できる可能性があると思われる。